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ニコンF3でフィルムカメラ(再)デビューした話

Nikon F3


Sony α7sを入手して盛り上がっている私ですが、実はα7sを入手する直前にNikon F3フィルムカメラデビューをしていました。

デビューといっても一昔前はフィルムカメラを使うのが当たり前でしたし、私の場合、学生時代に野鳥写真をかじったことがあるので(主にポジフィルム)、約20年ぶりの”再” デビューといった方が正しいかもしれません。私のフィルムカメラ遍歴は、Canon AE-1 program(父親のおさがり、1981/4発売)→ Nikon F-601(学生時代に購入、1990/4発売)→Nikon F3(1980/3発売)となりますので、所有するカメラとしては人生で最も古いモデルとなります。

フィルムカメラ再デビューのきっかけはひょんなことからNikon F3を譲り受けたこと。
興味がないわけではなかったのですが、デジタルの便利さに慣れきってしまい、億劫でなかなかフィルムにまでは食指が動きませんでした。ですが、フィルムカメラが向こうからこちらにやってくるとなれば話は別です!そういえば、FマウントのNokton 58mm F1.4を持ってるなー、初期投資ほぼゼロでフィルムデビューできるなら、いっちょ遊んでみようか、となったわけです。

 

自己流整備を実施
さてさて、私が入手したNikon F3、シリアル番号からすると1986年に製造された個体のようですが(30年以上前!)、殆ど使われていなかった機体で状態はおそらく良好。実際、電池を入れたらファインダー内の液晶は問題なく映りましたし、シャッターも問題なく切れました。ただ、一つだけ問題がありました。裏蓋を空けてもフィルムカウンターがリセットされないのです。
これには少し困ってしまいました。やはりOHに出さなければダメかなーと思ったのですが、ネットは偉大ですね。少し検索したら、裏蓋を空けたところにあるカウンターフリーボタンのスプリングが固着することがある、とのことでしたので、探してみるとありました。

カウンターフリーボタン
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このボタンが引っ込んだままでしたので、エタノールを染み込ませた爪楊枝でしばらくホジホジしてみたら、見事復活。その後は、スプリングも効いて問題なく作動するようになりました。

あとは、ファインダー内の大量のホコリも気になりました。なにせ初心者ですので、どこに付着したホコリなのか分かりません。いろいろ探しまわした結果、スクリーンに付着したものだと分かりました。ファインダーを取り外してスクリーンのホコリをブロワーで吹き飛ばして整備完了。

スクリーン清掃
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ニコンF3外観
ひととおり自己流整備を終え、じっくりと眺めます。

ILCE-7S_3

やはり最近のデジタル一眼にはない、佇まいの良さがありますね。さすがジウジアーロデザイン、棚に飾っておいてもサマになります。

見るだけでなく、触って空シャッターを切るのも楽しい。

いろいろ触っていて感動したのが緊急作動レバー。ニコンF3絞り優先AE搭載機ですので、電池切れでシャッターが切れなくなります。そんな緊急時用のメカニカルシャッターです(シャッター速度は1/60秒の固定となります)。

緊急作動レバー
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露出計が壊れようが、電池が切れようが、どんな時でもシャッターだけは切れるようにしておくという、ニコンの哲学のようなものが感じられて思わず胸が熱くなります。戦場カメラマンなどが電池切れの時なんかに、この緊急用シャッターで撮影したりするのだろうか、などと想像してしまいます。時折、意味もなく緊急用シャッターを切っては、メカニカルなシャッターフィールを楽しんでいます。

 

いきなり恥ずかしいミスを犯す
さて、実写です。
・・・と言いたいところなのですが、ここで白状しなければならないことがあります。最初にフィルムを装填したのは、小田原早川漁港の人気レストラン。子供にフィルム入れてよー、と催促されて、相席のおじさんの目を意識しながら、手慣れた(風の)手つきでフィルムを装填しました。おじさんからは、「お、フィルム?懐かしいねー」なんて声をかけられて、ちょっと舞い上がっていたと思います。それから、フィルム一本分36枚、小田原早川漁港と江ノ島散歩で撮影を終えました。

記事内でも少し触れていますね...

ところが、、、フィルムがきちんと装填されていなかったのです。
気付いたのは撮影を終えた後。フィルムカウンターが36になり、あと1、2枚は撮れるかなーなんて思いながら、適当な景色を撮っていたら、あれまだシャッター切れる?あれまだ?・・と思っているうちにカウンターが40に。そう、フィルムがまったく巻き上げられていなかったのです。フィルムを巻き上げる時にクランクが回ることを確認する、という初歩の初歩を忘れていました。要するに私は、36回空シャッターを切っていただけ。あまりの初歩的ミスに、この時は凹みました...。しかも動転してフィルムを巻き戻してしまったため、フィルム一本が無駄に...(ベロ出しのためフィルムピッカーを買おうかどうか思案中)。

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御茶ノ水・銀座スナップで再チャレンジ!
気を取り直してフィルムを再購入・装填し直し、リベンジを果たしたのは、出張帰りに立ち寄った御茶ノ水・銀座でのスナップ。フィルムについては現在どんなものがあるのかよく知らなかったので、タケルさん(id:sfTKL)にtwitterでオススメされたEktar 100を素直に使いました。レンズは、現在保有する唯一のNマウント・Nokton 58/1.4。現像したネガ・データを受け取りに行くときは、久しぶりにドキドキ・ワクワクしました。こんな気持ちは久しぶり!

それでは写真です。(Lightroomで若干の露出調整とトリミングは行っています)

まずは御茶ノ水の聖橋・神田明神周辺のスナップ。
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ああ・・・、フィルムだ。
コントラストが強いのはこのフィルムの特徴かな?でもなんだろう、デジタルの写真と違ってじっくりと眺めたくなる感じ。暗部の情報量が多いからか、じわじわとくる。派手めなんだけどノスタルジックな色合いも悪くない。

聖橋からの眺め
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まだ日がかなり高かったんだけど、独特のコントラストで夕方のように陰影が強調されて昭和的な感じ。このフィルムの雰囲気、都会の情景とよくマッチしますね。

銀座に移動。
ガラスへのリフレクションを意識した写真を何枚か。
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女性お二人の写真は、女性にピントを合わせようとして完全に外してます(手前のガラスにピントが合っています)。デジタルならボツにしてしまうかもしれませんが、でもフィルムだとそれはそれで良いように感じてしまいます(自己満足かもしれないけれど)。その理由のひとつには写真一枚一枚に対する思い入れが強いこともあるかもしれません。いくらでもシャッターを切れるデジタルカメラでの撮影と比べ、フィルムカメラでは熟考したうえで一枚のシャッターを切ることになります。その結果生じるとても強い「その場の記憶」を、フィルム写真の一枚一枚には色濃く感じる気がするのです。「一瞬」というのは実はとても貴重なのかも。フィルム写真がスナップと相性がいい気がするのはこういった側面があるからかもしれない。

ソニーショールーム前の交差点。
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この写真もピントが合っていません。
でも、ピントが合っているとかいないとか、シャープかとか解像感がどうとか、なんかどうでもよくなってきてしまう。不思議だ。

街中の中古カメラ屋さん。
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銀座のところどころにあるこんな店が、なんだか気になってきました...(笑)。

Nokton 58mm F1.4の開放。
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ストレスに感じたこともある開放の柔らかい描写が今は愛おしい。


夕暮れ~夜の情景。
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しみじみ良い。

これらの写真を見てすごく考えさせられました。
Lighroomでデータを見ていて分かったのですが、フィルムって、白とびはするけど黒つぶれは絶対的にしないようです(フィルムの原理的なものでしょうね)。階調が殆ど無くなるという意味では潰れているともいえますが、実際のところサチュレーションはしていない。ヒストグラムを見るとサチるまえにストンと落ちている。一見階調が無くなっているように見える部分も、強引にシャドウを持ち上げてみると意外に情報が残っていたりする。そして諧調の残る部分だけでなく、潰れているように見える部分にもブルーとかグリーンの被りがある。このあたりがコントラストが強くてアンダーな写真でも描写に深みがある理由のひとつかもと思いました。実際、強引にLightRoom上で黒を潰してみるとのっぺりして味気ない感じに。なるほどなあ...、世の中に"漆黒"ってなかなかないから、フィルムのこの特徴は自然なのかもしれないなあ。これはデジタルの現像の時にも活かせるかも。意図的に黒潰れさせる場合でも、完全に潰してしまわず、サチュレーションする一歩手前に寄せるのが良いのかもしれない。このあたり、今後研究してみたいと思います。


いやー、思い切ってフィルムの世界に飛び込んでみて良かった。頭では分かった気になっていたことも、実際に撮ってみて実感しないと本当のところは分かりませんね。フィルムで得る経験は、絶対にデジタルにも活きると思う。ペースはゆっくりになると思いますが、これからも余裕のある時にフィルムカメラで撮影していきたい。

それにしてもつくづく思うのは、以前タケルさんが記事にされていた「デジタルでトライ&エラーできるからこそ、フィルムをもっと楽しめる」って言葉が、まさにその通りだな、ということ。

www.spaceflier.com

デジタルで経験してないと、Noktonの開放域なんて失敗ばかりになってしまうと思う。とりあえずレンズの特徴をデジタルカメラで体に叩き込んでおいて、それからフィルム機で遊ぶ、ということができるのは、現代だからこそできるスマートな楽しみ方だと思います。一方で、いくらデジタルで特徴を掴んでいたと思っていても、フィルムでは自分の想像を超えた絵がでてくることも多く、それもフィルムの面白さのひとつかなとも思います。

今回、一つ気になったのは、粒状性です。Ektar 100は「世界最高の粒状性」を謳っているようなのですが、粒状感ありありです。これはこれで雰囲気があって良いのですが、でもなんでだろう?アンダーになってしまっているからかな?夜のスナップはアンダー覚悟であえてシャッタースピードを上げていたので分かるのですが、でも昼間の写真もなんですよね。ちょっとこの点は気になるところです。ネガフィルムはオーバーに強いとのことなので、次回は1段くらいオーバーで撮ってみようと思います。

フィルムは、、、次はどうしよう?Ektar 100はコントラストの高さ、しっとりとした階調、印象的な赤の発色がすごく良かった。でもいろんなフィルムを使ってみたいな。とあるブログで見かけたFUJIFILM C200に少し興味があるんだけど、残念ながらバラ売りはしてないみたい。コダックのULTRAMAXも良さそうだ。

さーて、フィルムカメラ使いの皆さんのブログを見にいくとするか。 

 
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mypace.hatenablog.com